ポーター&スタウトってどんなビール?その違いやオススメビールをご紹介します

ポーター&スタウトってどんなビール?その違いやオススメビールをご紹介します

こんにちは!泡無しのビールの注ぎ方に最近ハマっているCRAFT BEER TIMES編集部の熊倉です!

みなさん、ビールを飲んでほっこりしたいな~って思うことはありませんか?
そんなとき私がおすすめしたいのが黒ビールです。

黒ビールとはその名の通り色の黒いビールのことで、黒く焙煎された麦芽を使うことによってビールの色も黒くなります。

その黒ビールの中でも特に人気があるビアスタイル、それがポータースタウトです。

この両者のビールはどちらも香ばしさとコクのあるふくよかな味わいがあります。ビール好きの方なら1度は飲んだことがあるのではないでしょうか?

というわけで今回は人気の黒ビールであるポーターとスタウトについて解説していきたいと思います。

  • ポーターとスタウトってどんなビールなの?
  • 2つの違いが正直よくわからない…
  • おすすめの銘柄を教えて欲しい!

このようなお悩みを解決する内容となっています。
人気の黒ビールの秘密やその違いを解き明かしていきますので、ぜひ最後までお付き合いください!

ポーターとスタウトの概要

ポーターとスタウトの概要

ポーターはイギリス・ロンドンで発祥したエールタイプの黒ビールです。
ロースト麦芽を使用するため色は濃く、コーヒーやチョコレートのような香ばしさを感じることができます。
ロンドン市場の運び屋に好まれたことからポーターと名付けられるようになったと言われています。

スタウトはアイルランドで生まれたポーターの進化形ビアスタイルです。
有名な黒ビールである「ギネス」の創業者、アーサー・ギネスによってスタウトは生み出されました。
スタウトは英語で“強い、頑丈な”を意味する言葉で、その名の通りスタウトにはポーターよりも強いロースト香と焦げの苦みがあります。

ポーターとスタウトはどちらもローストモルトの香ばしさとコクが特徴の黒ビールですが、スタウトの方がやや焦げの特徴が強めに出ているとされています。
この2つのビールはビアスタイルの成り立ちには異なるストーリーがありますが、現代において両者のビールとしての特徴の差は次第に曖昧になってきています。

ポーターとスタウトの特徴

ポーターとスタウトの特徴

ローストモルトの香ばしさ

ポーターやスタウトにはどちらも濃色の麦芽が使われています。これによってビールにはコーヒーやカラメル、チョコレート、醤油などの香ばしい香りがもたらされるのです。

また、ローストモルトは焙煎されることによりコーヒーのような苦味とわずかな酸味をもたらします。これによりポーターやスタウトの味わいは複雑味を増すのです。

ポーターとスタウトは使われているモルトの種類が異なります。
ポーターにはカラメルモルトやチョコレートモルトが使われています。軽いロースト香と甘い風味が特徴です。

スタウトはペールモルトなどの淡色モルトに加え、強く焦げ目の付いたブラックモルトやローストバーレイを使います。これによって真っ黒な外観と強い焦げの苦味、飲みごたえが生まれるのです。

ぬるい温度で美味しい

イギリスとアイルランドで生まれたこの2つの黒ビールは、伝統的に10度前後の少しぬるめの温度で飲まれています。
エール系のビールはぬるめの温度で飲んだ方が香りが立ち、ふくよかな味わいを楽しむことができるのです。

もちろん冷たい状態で飲んでもすっきりとした美味しさががありますが、エール系の黒ビールはやはり温度を少し高めて飲むのがオススメ。
温度が上がることで揮発する香りの成分が増えるので、エールビールの特徴である酵母由来の香りと黒ビールならではのローストモルトの香ばしさが立ち上がりやすくなります。

また、味わいにもコーヒーのような穏やかな酸味が感じやすくなり、焦げの苦味がマイルドに抑えられるので、味わい全体のバランスも整うようになります。
ポーターやスタウトを飲むときは冷蔵庫から取り出して、だいたい5~10分ほど待ってからグラスに注いでみてください。

副原料や樽熟成と相性がいい

ポーターとスタウトはどちらもコクのある黒ビールです。この2つのビールはその力強い味わいから多様な副原料が使われたり、樽熟成されることが多くあります。

ポーターとスタウトによく使われる副原料としては次のものが挙げられます。

  • コーヒー豆
  • カカオ
  • シナモン
  • バニラ
  • ピーナッツバター
  • ココナッツ

黒ビールの特徴である香ばしさを引き立てるものや、味わいをマイルドにしてくれるものが多くありますね。
これら個性的な副原料が使われるのは、ポーターとスタウトの香ばしくてコクのある味わいがあってこそです。

また、ビールは樽熟成されることによって熟成樽由来の香り成分を引き出し、より複雑な味わいへと変化していきます。
ビールの熟成に使用される樽はバーボンやスコッチなどのウイスキー樽やシェリー酒、ラム樽など様々です。

特にローストバーレイを使ったスタウトは樽の成分に負けない強い個性を持っているので、樽熟成との相性は抜群です。
副原料を加えてさらに樽熟成を重ねた強烈なインパクトのあるスタウトは、クラフトビールシーンの中で現在最も注目を集めている分野でもあります。

ポーターとスタウトの歴史

ポーターとスタウトの歴史

ポーターとスタウトは今でこそ多くの人に知られている黒ビールですが、どのようにして人気のビールとなっていったのでしょうか?

ここではポーターとスタウトの歴史について見ていきましょう!

ポーターの誕生

ポーターは18世紀初頭にイギリスのロンドンで誕生しました。

当時のイギリスのパブでは数種類をブレンドしたビールが流行していました。
特に主流だったのが若いブラウンエール、熟成させたブラウンエール、そしてペールエールをブレンドした「スリースレッド」と呼ばれるビールです。

このスリースレッドは人気のビールでしたが、パブの店主は注文が来てからビールをブレンドをする手間に悩まされていました。
そこでロンドンのベル醸造所の経営者ラルフ・ハーウッドは、ブレンドされたビールの味わいを再現した「エンタイア」と呼ばれるビールを商品化します。
これがロンドン下町の労働者たちの間で爆発的な人気を呼び起こし、安価で喉の渇きを癒せるビールとしてイングランド全域に流行が広がりました。

そしてこのビールは当時のロンドンの湾口労働者、すなわち運び屋たちに好まれたことから「ポーター」と呼ばれるようになります。

このほかにもポーターの由来には諸説あり、ビールをパブへ運んできた配達員が「ポーター!(運んできたよ)」と叫んでいたことから名付けられたという説もあります。

ポーターとイギリスビールの発展

ポーターはイギリスのビール産業を大いに発展させることとなります。
ポーターの製造には長期間の貯蔵を必要とするので、貯蔵設備に多額の資金が求められました。
しかし、ポーターは当時絶大な人気を誇っていたので、設備投資金は短期間のうちに回収することができたのです。

そのためこのビジネスチャンスに目をつけた大きな資本を持つ企業がビール事業へと次々に参入していきました。
当時のイギリスビールはパブ併設の小規模醸造所がその生産のほとんどを占めていましたが、ポーターの人気とともに大企業が徐々にビール市場を独占していくこととなります。

大企業は最新の醸造設備や技術を次々に取り入れ、ポーターの大量生産を拡大していきました。
イギリスでは21世紀になるまでに激しい物価の上昇がありましたが、ビールの価格の高騰は最小限に抑えられていました。
この点から大手ビールメーカーの企業努力と、ポーターの人気の強さを伺うことができます。

他国ではラガービールがビールの産業化を推し進めたのに対して、イギリスではポーターがその役目を果たしたというのは興味深いエピソードですね!

苦境のアイルランドからスタウトが誕生

ポーターの人気はイギリス国内に留まることはなく、多くの国や地域へと輸出されていました。
当時イギリスの植民地であったアイルランドにもポーターはもちろん輸出されており、アイルランド現地の醸造所は止まることを知らないポーターの勢いに苦しめられます。
さらにアイルランドはイギリスからの重税に苦しめられており、どうにもならない状況にあったのです。

そこで立ち上がったのが、かの有名なギネス社でした。

ギネスビール

ギネスはロンドンのポーターを徹底的に研究し、自社独自のポーターを開発します。
このポーターの品質は非常に高く、焦がした大麦を使用した力強い風味から「スタウト・ポーター」と名付けられました。
これが短縮されてのちにスタウトと呼ばれるようになります。

アイルランドのスタウトの人気に対してイギリスは麦芽にかかる税金を重くしますが、これに対してギネスは使用麦芽の一部を発芽していない大麦に変更。
これによって節税をするとともにスタウトの味わいはよりドライになり、クリーミーな泡を生み出すようになります。
これが今日における世界で最も有名な黒ビール「ギネス ドライ・スタウト」です。

その新たな黒ビールの味わいは本家ロンドンでも評判となり、19世紀の末にはギネスは世界最大規模の醸造所にまで成長を遂げました。

さらに進化を続ける黒ビールに

一時はヨーロッパのみならず世界中へと広がったポーターとスタウトですが、20世紀に入ってからはその人気に陰りが出始めます。
淡色系ビールのブームや大企業によるビール市場の寡占化、そして二度の世界大戦によって伝統的な小規模の醸造所は次第にその姿を消してしまいました。

そんな中、1980年代からアメリカでクラフトビールブームが始まります。
伝統的なビアスタイルが再評価される中で、ポーターとスタウトも再び人気ビールの仲間入りを果たします。

特にスタウトはアメリカで様々なアレンジが加えられ、樽熟成やユニークな副原料を使った独創的で強力な味わいのものがつくられるようになりました。

かつてのパブで飲まれていたビールとしての伝統と、多くの新しいチャレンジが試される革新を併せ持つビアスタイルとして、ポーターとスタウトは今も世界各国で愛されています。

ポーターとスタウトの種類

ポーターとスタウトの種類

ポーターとスタウトには様々な派生スタイルがあります。
より細かい種類がわかれば自分の好みに合う銘柄を選ぶことができますので、ここで代表的なポーターとスタウトの種類をチェックしていきましょう。

ロブストポーター

程よいロースト香が感じられるポーターです。
ポーターの中でも一般的なスタイルで、香ばしい風味となめらかな口当たりを楽しむことができます。

ブラウンポーター

モルトの甘い風味が立ったポーターです。
カラメルモルトの使用比率が高く、焦げの風味が抑えられた柔らかな味わいがあります。ポーターの中でもよりマイルドなタイプです。
アルコール度数も比較的低めです。

バルチックポーター

アルコール度数が高めの飲みごたえのあるポーターです。
フィンランドなどバルト海近郊の国でつくられたポーターで、ビールの発酵に上面発酵酵母でなく下面発酵酵母が使われるところが大きな特徴です。
寒冷地向けのビールとして発展した強いモルトのコクとアルコール度数が感じられます。ロースト香は控え目です。

ドライスタウト

ギネスが開発したスタウトです。アイリッシュスタウトとも呼ばれます。
なめらかな泡立ちと舌触り、さらりとした飲み口とドライな切れ味が特徴です。もともとはポーターよりも味わいが「強い」ビールとして人気が出ましたが、現代のスタウトは飲みやすさを重視したものが多くあります。

ミルクスタウト

甘さが加えられたイギリス発祥のスタウトです。
原材料に乳糖が使われており、スタウトの香ばしさの中にミルキーな甘味をほのかに感じることができます。
乳糖はビール酵母に代謝されない糖分なので、甘味はビールにそのまま残ります。
別名スイートスタウトやクリームスタウトとも呼ばれます。

オートミールスタウト

オーツ麦を副原料に使ったイギリス発祥のスタウトです。
オーツ麦はたんぱく質を豊かに含むため、ビールに非常になめらかな舌触りを与えます。
ミルクスタウトと組み合わせられることもしばしばあり、甘味があるフルボディなタイプから味わいが複雑ながらドライなものまで様々。

オイスタースタウト

牡蠣の殻をビールの濾過に使ったスタウトです。
アイルランド名物である牡蠣の殻を活用する方法として、ビールの濾過に使われるようになりました。
牡蠣の殻に含まれる塩分がビールのたんぱく質を吸収し、味わいにドライさをもたらす効果があります。完成したスタウトに牡蠣の風味が付くということはないとされています。

インペリアルスタウト

アルコール度数を高めた濃厚な味わいのスタウトです。
イギリスがロシア帝国へ献上するためにつくったスタウトで、原材料をふんだんに使用した強烈なアロマとフルボディな味わいが特徴です。
インペリアルスタウトはアメリカに渡ったことで、ホップの大量添加や副原料の使用、樽熟成が施されるようになりました。

CRAFT BEER TIMES編集部が選ぶオススメのポーター&スタウト10選

ここまでポーターとスタウトについて解説してきました。
そろそろあなたも実物を飲みたくなってきた頃ではないでしょうか?

ということでこちらではおすすめのポーターとスタウトをご紹介していきます!
今日学んだことを忘れないためにも、気になるものがあったらぜひ実際に味わってみて下さい。

ヤッホーブルーイング「東京ブラック」

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豊かなローストモルトのコクを感じられるポーター。
カカオやビターチョコのようなほろ苦さとソフトな口当たりに癒されます。

スワンレイクビール「ポーター」

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バランスの良い上品な味わいのポーター。
日本で初めてビールの世界大会で金賞を受賞した実力派!

フラーズ「ロンドンポーター」

イギリスの伝統的なポータースタイル。
柔らかでスムーズな飲み心地と落ち着いた香ばしさは飲みやすさ抜群!

ベアードビール「黒船ポーター」

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ほろ苦いビターな風味が心地よいポーター。
コーヒーのような程よい苦味と酸味と、ふくよかでリッチなボディを楽しめます。

BrewDog「Zombie Cake」

チョコレートのようなリッチな甘みのポーター。
甘酸っぱさや香ばしい苦味が感じられ、複雑で深みのある味わいが特徴。

箕面ビール「スタウト」

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ドライですっきりとした香ばしさのあるドライスタウトです。
ビターチョコやココアのような甘く香ばしい風味が感じられる、飲みやすさ抜群の人気銘柄!

エチゴビール「スタウト」

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飲みやすくも飲みごたえのあるアイリッシュスタウト。
カカオやチョコレートの芳醇な香りに、ほのかに甘味を感じる深い味わいにうっとりします。

アサヒ「スタウト」

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国内大手のアサヒビールがつくる知る人ぞ知るスタウト。
スーパードライとは対照的に、ビターチョコや干し葡萄、たまり醤油のようなローストモルトの圧倒的なコクを感じられるフルボディな味わい!

サンクトガーレン「スイートバニラスタウト」

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バニラ香る甘味が特徴のスタウトです。
副原料に使われたバニラがスタウトの香ばしさと絶妙にマッチ!食後のデザートとしておすすめです。

京都醸造「黒潮の如く」

香ばしさと華やかさが感じられるベルジャンスタウト。
黒ビールらしい香ばしさとコクのある味わいと、柑橘類を感じるフルーティーさの組み合わせがユニーク!

まとめ

今回は黒ビールの中でも人気のスタイルであるポーターとスタウトについてご紹介させていただきました。

それでは最後に今回の記事のおさらいをしていきましょう。

  • ポータはイギリス、スタウトはアイルランド発祥のエールタイプの黒ビール
  • どちらも黒ビールの香ばしさとコクが特徴で、派生スタイルがたくさんある
  • ポーターはロンドンのパブから生まれ、イギリスビールの発展に貢献した
  • スタウトはアイルランドのギネスがポーターを研究した結果生まれ、ポーターの人気を上回った

ポーターとスタウトは特徴の似たビールですが、その誕生の背景や原材料に違いがあります。
違いが分かれば美味しさも変わりますので、次回ビールを飲むときはぜひポーターかスタウトをチョイスしてみてください。飲み比べもアリですね!

それではまた!

熊倉
この記事を書いた人
熊倉
1993年生まれ、酒屋勤務、新潟市在住。いろいろお酒を飲むけどいつもビールに戻ってくる。セッションIPAを水筒に入れて持ち歩きたい。大衆酒場が好き。
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