ビールは注ぎ方で味が変わる?美味しく飲めるビールの注ぎ方を覚えよう!

ビールは注ぎ方で味が変わる?美味しく飲めるビールの注ぎ方を覚えよう!

熊倉
熊倉

みなさんこんにちは!
お魚料理とビールのペアリングに四苦八苦しているCRAFT BEER TIMES編集部の熊倉です。

ビアバーで樽生からサービングされるビールは美味しいですが、家でゆったりとくつろぎながら飲むビールもまた格別ですよね。

ところで、あなたは家でビールを飲むときはどんな注ぎ方をしていますか?

7:3の黄金比?それとも泡がモコモコになっちゃっていますか?
わざわざグラスに注がず直飲み派という人もいるかもしれません。

どんな注ぎ方にも正解不正解はありません。
ですが、ビールの注ぎ方が分かれば、ビールの味わいを思い通りに操ることができます。

チェコを代表するピルスナーウルケルには、厳しい試験をクリアして完璧なビールの注ぎ方を習得したものだけに与えられる「タップスター」という称号があります。
それほどまでにビールの注ぎ方は奥が深いのです。

今回は家飲みを更に進化させるビールの注ぎ方についてご説明します。
いつもの晩酌がもっと美味しく楽しくなるような内容になっていますので、ぜひご覧ください!

ビールは注ぎ方で味が変わる?

ビールは注ぎ方で味が変わる!

ビールの味わいは注ぎ方によって変わります。
その味わいの変化には泡と炭酸が大きく関わっているのです。

ビールの泡は、ほかのお酒にはないビールのトレードマークともいえる要素です。
クリーミーでモコっとした白い泡は、口当たりを良くするだけでなく、ビールの美味しさを視覚に訴えかける効果も持っています。

炭酸も同じく、他のお酒にはあまり見られないビールの大きな特徴のうちのひとつです。
醸造酒の仲間であるワインや日本酒の中には炭酸が含まれているものもありますが、それらは全体から見れば少数派です。
その反面、ビールにおいてはそのほとんど全てに炭酸が入っています。ビールがこれほどまでに世界で愛されるお酒になったのは、炭酸の効いた爽やかな飲み物であったことが理由であるのかもしれません。

これら2つの特徴はどちらもビールに素晴らしい味わいや見た目の良さを与えます。
以下で少し詳しく解説していきます。

ビールの泡について

ビールの泡について

ビールの泡は、ビールの中に含まれるタンパク質とホップの苦味成分によって生まれます。
もう少し詳しく説明しますと、タンパク質とホップの苦味成分が合わさって出来た膜が、炭酸のガスを包み込むことによって泡が出来るのです。

ビール以外で例を挙げると、ペットボトルのお茶などをしゃかしゃか振ると気泡が出来ますよね?
泡立ちはしますがビールのような白い泡にもならなければ長持ちもしません。

あの白くて滑らかなビールの泡は、タンパク質とホップの苦味成分のおかげで出来ているのです。

さらに言えば、ビールの泡の味もこれで説明できます。
泡にはタンパク質が含まれているためシルキーで滑らかな食感があり、ホップの苦み成分が含まれているため当然苦味もあります。
時間の経過とともに泡はビールの液体へと姿を戻しますが、もちろんその時に苦味もビールへと溶け込みます。

ビールの炭酸について

ビールの爽やかな炭酸は酵母による発酵によって得られます。

酵母が麦汁の中の糖分を食べることによって、アルコールと炭酸ガスを生成します。この炭酸ガスがビールの中に溶け込むのです。

炭酸はビールに爽やかさを与えらるだけでなく、味わいにも影響を与えています。

炭酸が強いすっきり爽やか、辛口で刺激的な口当たり
炭酸が弱いまろやかで、味わい深い滑らかな口当たり

このように、炭酸の強弱はビールに異なる印象をもたらします。

つまり炭酸の量を注ぎ方で調節すれば、ビールの魅力をさらに引き立てたり、自分の好みに合わせたりすることができるのです。

ビールを注ぐ前の準備

美味しいビールを注ぐためには、注ぎ方の他にも注意する点があります。
それがグラスとビールの温度です。

グラスを清潔に

グラスを清潔に

ビールグラスは必ず清潔なものを使いましょう!
美味しいビールを飲むにあたって、グラスの清潔さはビールの注ぎ方よりも重要です。

グラスの油汚れや小さなゴミ・ホコリはビールの大敵です。

油分はビールの泡の構造を乱し、泡の形成を損なわせる原因となります。そしてグラスに付着した小さなホコリは、炭酸をひっかけて泡立ちを妨げます。

これらを防ぐためのグラスの管理のポイントをご紹介します。

  • 洗剤とスポンジを使ってしっかりと油分を落とす。スポンジはビールグラス専用のものを用意できればベスト。
  • すすいだグラスは口を下にして自然乾燥。布巾は小さな繊維がグラスに付着するため使わない。
  • ビールを注ぐ直前にグラスをリンス(水で注ぐ)する。これによってグラスが水の膜でコーティングされて滑らかになる。
    (この工程でビールの味が薄まることは全くないのでご安心ください)

ビールの温度管理

ビールの温度管理

グラスに注ぐ前にビールの温度も意識してみましょう。
そのビールをどのように飲みたいかによって、ビールの温度調節は変わります。

  • 爽快感を味わいたい場合 … ビールは冷えた状態で、グラスは氷水でリンスする。
  • じっくり味や香りを楽しみたい場合 …ビールは冷蔵庫から出して5~10分ほど置いておく。

ビールの炭酸ガスは冷えた状態ほどビールの中に溶け込みます。また、低温を維持すれば炭酸も抜けにくくなります。

逆にビールの味をじっくり楽しみたければ、適度にガスが揮発しやすい少し高めの温度にしてから注ぐと良いでしょう。

下記、各ビアスタイル毎のオススメする温度の目安です。

4~7℃ピルスナー・ヴァイツェン・ベルジャンホワイト
7~10℃ペールエール・IPA・ポーター
10~13℃スタウト・ベルジャンゴールデンエール・サワーエール
13~16℃バーレイワイン・ダブルIPA・インペリアルスタウト

美味しく飲めるビールの注ぎ方

では、いよいよ実際にビールを注いでみましょう!

これまで解説してきた内容を踏まえれば、自分の好みの味わいやビアスタイルの特徴を引き出すビールの注ぎ方ができるはずです。
注ぎ方にルールはありませんが、いくつかのパターンをご紹介します。

そして前述したように、グラスは必ず清潔なものを使用してください。
これが美味しいビールを注ぐためのはじめの一歩であり、最も重要なポイントです!

1度注ぎ

1度注ぎ

1度でビールを注ぎ切る方法です。
炭酸のキレ味を保ちながら、適度な泡立ちのあるすっきりとした味わいのビールになります。

注ぎ方

  1. グラスを持ち、斜め30度くらいに傾ける。
  2. グラスの側面中心部あたりをめがけてビールをゆっくり注ぎ始める。注ぐ高さはグラスから5cm上程度。
  3. 注ぎ始めは泡立たせるようにし、グラスのうちの1/3程度が泡で満たされたら、ビールを注ぐ位置をグラスにより近づけて泡立ちを抑える。
  4. グラスのフチのすぐ近くから注ぎ、最初に作った泡を持ち上げるようにしてグラスをビールの液体で満たす。

1度注ぎは泡の形成と泡の持ち上げをノンストップで行う注ぎ方なので、少し慣れが必要かもしれません。

自分の理想の比率に注げるようになるまで何度もトライしてみましょう!

2度注ぎ・3度注ぎ

2度注ぎ・3度注ぎ

その名の通り2度、3度に分けてビールを注ぐ方法です。
1度注ぎよりも炭酸がよく抜け、モコモコな泡が出来るため、ビールの甘みがより引き立つ味わいとなります。

注ぎ方

  1. グラスは持たずに置く。
  2. グラスから15cmほどの高さから、グラスの底に打ち付けるようにビールを注ぐ。(3度注ぎの場合は注ぐ位置を気持ち高めにする)
  3. グラスが8割ほど泡で満たされたら1度注ぐのを止め、泡が半分くらいまで落ち着くのを待つ。
  4. 【2度注ぎの場合】
    泡が落ち着いたら、泡立ちすぎないようにグラスに近い位置からビールを注ぐ。
  5. 【3度注ぎの場合】1度目の注ぎよりも少し低めの位置からゆっくりとビールを注ぎ、泡がグラスのフチまで来たところでまた止める。
    泡がグラスのフチよりも下になるまで落ち着いたら、再びグラスの近くから優しく注ぎ、泡がグラスから2、3cmほど盛り上がったら完成。

2度注ぎと3度注ぎは時間がかかりますが、こんもりとした純白の泡を作ることができます。
ほどよく炭酸を残したい方は2度注ぎを、ビールの甘みをしっかり味わいたい方は3度注ぎをぜひお試しください。

泡なし

泡なし

ビールを全く泡立てずに注ぐ方法です。
全く泡を立てない注ぎ方のため、刺激的な弾ける炭酸や、しっかりと強い苦味を存分に感じることができます。

注ぎ方

  1. グラスを持ち、斜め45度くらいに傾ける。
  2. グラスに触れるくらい近い距離からゆっくりとビールを注ぐ。
  3. グラスを徐々に立てながら、刺激を与えないようにビールを注ぎ切る。

泡なしは見た目的にどうなの?と思われるかもしれませんが、実はビアバーなどではごく一般的に取り入れられている注ぎ方です。

普段飲んでいるビールも泡なしで注いでみたら、いつもと違う味わいを発見できるかもしれませんよ!

まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回はビールの注ぎ方についての解説をさせていただきました。

下記、今回の記事のポイントまとめです。

  • ビールは注ぎ方で味が変わる
  • 泡を立てるとまろやかに、泡を立てないと刺激的な味わいに
  • グラスの清潔さがとても重要!

いつもと同じビールでも気分に合わせて
「今日は疲れたから3度注ぎの甘みとモコモコの泡に癒されよう…」
「めっちゃ汗かいたから泡なしビールの刺激でリフレッシュ!」
なんていう楽しみ方もできちゃいます。

もしビアバーなどに行く機会があれば、お店の方の技術を目で見て学んだり、アドバイスを貰うのもいいかもしれません。

ぜひ今後の楽しい家飲みタイムの参考にしてみてください!

それではまた!

熊倉
この記事を書いた人
熊倉
1993年生まれ、酒屋勤務、新潟市在住。いろいろお酒を飲むけどいつもビールに戻ってくる。セッションIPAを水筒に入れて持ち歩きたい。大衆酒場が好き。
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