【ミッケラー ビアセレブレーション東京2019】世界トップのブルワリーが東京に集結!クラフトビールの最先端を体験してきた!

こんにちは!
ビール以外の醸造酒もよく飲むけどやっぱりビールが一番好きなCRAFT BEER TIMES編集部の熊倉です。

いきなりですがビール好きのみなさん、ミッケラーというブルワリーはご存知ですか?

ミッケラーは、デンマークで生まれた世界を熱狂させるクラフトビールメーカーです。
高品質で独創的なビールを次々に作り出しているクラフトビール界の風雲児的な存在で、特定の醸造所を持たないファントムブルワリーとしても知られています。
北欧チックな独特でユニークなロゴやパッケージも人気のの一つです。

そんな世界でもトップクラスの人気と実力を持つミッケラーのビールイベントが東京で開催されました。

その名もミッケラー ビアセレブレーション東京2019

クラフトビールの業界を引っ張っているミッケラーのお気に入りブルワリーたちが、とっておきのビールを引っ提げて東京に集まる夢のようなイベントです。

実はこのイベントは昨年も開催されていたのですが、チケット代が他のビールイベントと比較してもかなり高く、見送ってしまった私がいたのです…(チケット代は後述します)

今年こそは!!ということで参戦を決意。
期待に胸を膨らませてイベントに参加してきました。

控えめに言って世界一楽しいビールイベントかもしれない。

そんな夢のような時間を過ごすことができました。

というわけで今回の記事は世界一のトップブルワリーのビールを堪能できるミッケラービアセレブレーション東京2019の潜入レポです。

美味しさにうっとりするようなビールから、度肝を抜かれるようなインパクト大のビールまでほんとうに多種多様でした。
私が体感したその一部をご紹介します!

ミッケラーとは

ミッケラーはデンマーク・コペンハーゲンで2006年に創業して以来、クラフトビール界をリードしてきた特定の醸造所を持たないファントムブルワリーです。

ビールの品質を最優先とした実験的なビアスタイルへの挑戦や、世界中のブルワリーとのコラボレーション、造り手と消費者を繋ぐビールイベントの開催、アーティスティックなボトルデザインなど、その革新的なビールに対する価値観は世界に大きな影響を与えました。

ミッケラーは自国デンマークをはじめノルウェーやスコットランド、アメリカなどのマイクロブルワリーの設備を使用して自分たちのビールを造っています。

ミッケラーのビールには計算されつくしたレシピがあり、このレシピがあるからこそどんな場所でも同じビールが造ることができるのです。

過去10年間においてもミッケラーは世界トップ10にランクインし続けるブルワリーで、今もなお変化を続ける姿に多くのビールファンが魅了されています。

http://mikkeller.dk

ミッケラービアセレブレーション東京2019とは

ミッケラー創業者のミッケル・ボルグ氏が主宰する「唯一無二のビールイベント」。

世界トップクラスの実力と人気を有するミッケラーセレクションの40組のブルワリーが集まり、320種もの個性豊かなクラフトビールを多くのビール愛好家たちと楽しむイベントです。

2012年からコペンハーゲンで始まったこのイベントですが、2018年には東京で開催。

そして今年2019年にも東京での開催が決定!

ミッケラーの醸造拠点である北欧をはじめ、ヨーロッパ、アメリカ、アジアのクラフトビールはもちろん、音楽やフード、アートなども入り交ざったエンターテイメント満載なビール祭りとなりました。

イベントは2日間の開催で、YELLOW・BLUE・RED・GREENの4つのセクションに分かれており、各セクションのチケット購入する形になります。

プレミアチケットとしてGOLDチケットがあり、すべてのセクションに参加できるほか、各セクションへの20分の優先入場や福袋などのお得な特典があります。

すべてのチケットにはイベント専用の小ぶりなテイスティンググラスが付きます。
イベントのビールはこのグラスですべて飲み放題です!
各セクションによって提供されるビールの銘柄は変更されますので要注意。

チケットの価格は1セクション12,500円(税別)。
GOLDチケットは56,000円(税別)です。

ビールの試飲のほかには日本では通常めったに手に入らないミッケラーのビールや、Tシャツなどのグッズも販売されます。

参加ブルワリーやビールの種類などは公式HPなどで確認することができます。

SNS等でもイベント情報が発信されていますのでチェックしましょう。

【公式サイト】https://mbctokyo.com
【facebook】https://www.facebook.com/mikkellerbartokyo
【Instagram】https://instagram.com/mbct.2019/

ミッケラー ビアセレブレーション東京2019 試飲ビールレビュー

世界トップクラスの実力を持つブルワリーが集まるこのイベント。
始まる前からどんなビールが飲めるか楽しみでした!

ティスティンググラスは容量約50mlと小ぶり。
お腹一杯になることなくたくさんのビールを楽しむことができます。
おそらく20〜30種ほどのビールを飲むことができました!

どれもこれも個性的なものばかりですが、その中でも特にわたくし熊倉がビビっときたビール厳選13種をご紹介致します。

いや〜本当に面白いものばかりでした!

海外のブルワリーの複雑なビアスタイルがほとんどなので、私なりの解説を交えながら興奮気味にお伝えしていきます。

Staff Magician

基本データ

ブルワリー:Mikkeller(ミッケラー)
アルコール:5.5%
ビアスタイル:ニューイングランド・ペールエール
国:デンマーク

苦味★★
酸味★★★
コク★★★★
香り★★★★
のどごし★★
編集部感想

やはりミッケラー のビールは外せません!
こちらはミッケラーのアメリカ・サンディエゴ醸造所のビールです。

ビアスタイルはニューイングランドペールエール。

「ニューイングランド」とは、アメリカ北東部で生まれた濁りのあるトロピカルな香りが特徴のビアスタイルで、しばしばヘイジー(濁り)スタイルとも呼ばれます。
ニューイングランドIPAとして人気が出たスタイルですが、こちらはペールエールということでIPAよりも落ち着いた仕上がりとなっています。

外観にはしっかりとした濁りが確認できます。

香りはまさに正統派のニューイングランドスタイル。
ホップの華やかでトロピカルな香りが鼻いっぱいに広がります。

味わいはとてもジューシーでありながらドライ。
苦味は少なく、ずっと飲み続けられるような飽きのこない味わいです。

ニューイングランドスタイルのビールは華やかすぎて飲み飽きしたり、料理に合わせにくかったりしますが、このビールは香りと味わいがちょうどいい具合に収まっています。

デイリー飲みにうってつけのヘイジービールですね。

KARPOLOGI PINEAPPLE PEACH PASSION CANDY SOUR

基本データ

ブルワリー:Omnipollo(オムニポロ)
アルコール:3.5%
ビアスタイル:サワー
国:スウェーデン

苦味
酸味★★★★★
コク★★★★
香り★★★★
のどごし★★
編集部感想

スウェーデンのクラフトビールを代表するオムニポロの超変わり種ビール。

酸っぱさが特徴の「サワーエール」をベースに、フルーツをふんだんに使用したビアスタイルです。

ブースにあるビアスタイルの表記はただ「サワー」とだけありましたが、そんな単純なものではありませんでした…

缶から注がれたビールには、なんとアイスマシーンからフルーツシャーベットがトッピングされるのです!

濁りのある明るいイエローオレンジの外観。
そのビールの泡の上にはフルーツシャーベットが乗っかっています。はたしてこれがどのような味わいをもたらすのでしょうか….

香りはとてもトロピカルで、桃とパイナップルのミックスジュースのようなフルーツ感満載なフレーバー。おそらくこれはシャーベットの香りでしょうか?

香りからの予想通り味わいはフレッシュな甘酸っぱさがあり、アルコール度数も低いのでさながらフルーツジュースのようです。

これがビールなのか!?と思うほどの衝撃的な一杯でした。
サーバーからはビールじゃなくてシャーベットが出てくるってどういうこと? 笑
さすがはクラフトビール界の異端児、オムニポロ。
ぶっ飛んでます!

Brett Pils

基本データ

ブルワリー:Beavertown(ビーバータウン)
アルコール:5.6%
ビアスタイル:ワインバレルエイジ・ ブレッタ・ピルスナー
国:イギリス

苦味★★
酸味★★★★
コク★★★
香り★★★★
のどごし★★★
編集部感想

ビーバータウンは、パブ文化のイギリスにクラフトビール革命をもたらしたイギリスビールシーンを牽引するブルワリー。

ビアスタイル名にある「ブレッタ」とはブレタノマイセス酵母、つまり野生酵母のことです。
Brut(ブリュット)と混同しやすいので注意です。

野生酵母を使って発酵させたピルスナーを、さらにワインの樽で熟成させたビールです。

ピルスナーにそんなことしちゃうの!?
なんて驚きながらたまらず注文。

薄い麦色の外観で、樽熟成にしては薄めの色だなという印象でした。

香りにはピルスナーと思えないワイルドな酸味を感じます。これも野生酵母による発酵が成せるものですね。

しかし味わいにある酸味はそこまで強くなく、とても飲みやすいです。
爽やかな印象ですが、口の中でじわじわと感じるコクの深さもあります。

野生酵母の個性をほどよく出しながら、ピルスナーとして完成しているビールです。
上手だなぁ〜。

PB King

基本データ

ブルワリー:3 Sons Co.(スリーサンズ)
アルコール:13%
ビアスタイル:バレルエイジ・インペリアル・スタウト
国:アメリカ

苦味★★★
酸味★★
コク★★★★★
香り★★★★★
のどごし
編集部感想

甘〜いデザートビールが得意なスリーサンズ。
正式開業の前に新設ブルワリー部門でベストブルワリーに選ばれるという大注目の新人王!

このビールの特徴は香りを嗅げば一発でわかります。

それはもう圧倒的なピーナツバター
ビール名の「PB」とはおそらくピーナツバターの略でしょう。

真っ黒な外観のビールに鼻を近づければ、ガツンとその香りが脳天まで突き抜けていきます。
普段全くピーナツバターを食べないのに一瞬でわかるほどに強烈です。 笑

なめらかな口当たり。濃厚な甘さ。豊かで重厚な余韻。それらを支えるアルコール。
これでもかというほどにパンチが効いていますが、ウマイのです。

ナッツを貪りながら飲みたい!
食パンなどニュートラルなパンとの相性も良さそうです。

Moderne Dansk

基本データ

ブルワリー:Jester King(ジェスターキング)
アルコール:7.1%
ビアスタイル:デンマークチェリージュースバレルエイジビール
国:アメリカ

苦味★★
酸味★★★★★
コク★★★★
香り★★★★
のどごし★★
編集部感想

自然酵母のみを使ったビール造りに取り組むジェスターキング。
ベルギーのランビックを思わせるようなサワービールが人気のブルワリーです。

ビアスタイルがこれまた特殊。
大枠ではフルーツビールに該当するのでしょうが、自然酵母による発酵の後にデンマーク産のチェリージュースに使われた樽での熟成が行われています。

外観は濃いベリージュースのような深い赤紫色です。山盛りの泡も淡く色付いています。

香りからは自然酵母特有の埃っぽい香りを感じました。ベリー系の香りも感じられるのですが、酵母の独特な香りと混ざりあって何とも言えない複雑なフレーバーとなっています。

味わいはジューシーな酸味とコクのある旨味が特徴的でした。甘味は少ないですが、意外と飲みやすいです。
ランビックに非常に近い発酵をしているそうで、さまざまな微生物たちが織りなすいろんな味わいが楽しむことができます。

テキサス州に構える彼らのブリュワリーは、なんと東京ドーム17個分もの広さがあります。
ジェスターキングのビールは、約85%がその敷地内のレストランやタップルームで消費されているみたいなので、アメリカ国内でも入手困難なレアビールのようです。

イベント当時は知らなかったけど飲んでおいて良かった~。

Mahrs Bräu “U” Kellerbier

基本データ

ブルワリー:Mahrs Bräu(マーズ)
アルコール:5.2%
ビアスタイル:ラガー
国:ドイツ

苦味★★★
酸味★★★
コク★★★★
香り★★
のどごし★★★★
編集部感想

ドイツより唯一参加している歴史ある老舗ブルワリー。
日本でいうところの江戸時代から伝統を重んじ、革新を受け入れるビール造りを続けています。

ビアスタイルはラガーとの表記ですが、正確にはアンバー(琥珀)ラガーでしょうか。

琥珀色のキレイに澄んだ外観をしています。
アンバーらしいカラメルのような香ばしさが心地よいです。

味わいはモルトが効いていながらとても爽やか。王道のアンバーラガーといった感じで、非常に軽快な飲み口です。少しの酸味とひっかかりのないドライな味わいで、コレコレ!というようなラガーらしいキレ味を楽しめました。

個性派ビールだらけの当イベントの中、なにかほっと落ち着いた気分にさせてくれるビールです。

「クラフトビールは大きなインパクトがなければいけない。」
心の隅っこにあるそんな考え方を改めさせてくれるような一杯。

ラガーの美味しさを強く再認識することができました!

Brut Rose Lager with Raspbeery

基本データ

ブルワリー:Young Master(ヤングマスター)
アルコール:13%
ビアスタイル:ラズベリー・ブリュット・ローズ・ラガー
国:香港

苦味★★
酸味★★★
コク★★
香り★★★★
のどごし★★★
編集部感想

香港のクラフトビールシーンの先駆者とも呼ばれるヤングマスター。
地元香港ならではの香辛料や木樽を用いた独創的なビールが持ち味です。

ビアスタイルはラガーですが、辛口を意味する「ブリュット」が付くことによってさらに切れ味の良いラガーに仕上がっているようです。
さらに副原料としてラズベリーと薔薇が使われています。

色は淡いピンクで、原料のラズベリーや薔薇を思い起こしますね。

特に印象に残ったのは独特の香りです。
なんといったら良いのかわかりませんが、中華系の香りがしました。
中華麺を揚げた時のような香ばしい香り?
華やかですが落ち着いたエスニックな香りなど、これまでに感じたことのないような新しい香りを感じました。

味わいはかなりドライです。飲んだ後に感じるフレーバーにやはり香ばしさを感じ、薔薇やラズベリーのイメージとはかけ離れた香りでかなり驚かされました。

うーん、不思議です。
美味しいのですがそれよりも面白いが勝るビールでした(笑)

Over Ripe

基本データ

ブルワリー:Grate Notion(グレートノーション)
アルコール:7%
ビアスタイル:ヘイジーIPA
国:アメリカ

苦味
酸味★★★
コク★★★★
香り★★★★
のどごし★★★
編集部感想

アメリカ西海岸のヘイジービールといえば彼らグレートノーション。
その濁ったビールは、数々のアメリカのビアコンペティションで賞を総ナメにしています。

そんな彼らのヘイジーIPAを注文。
これがもう完璧なヘイジーIPAなのである。

濁りのある淡いイエローの優しい見た目。

香りは非常に強いトロピカル感で溢れかえっています!
桃やブドウ、マンゴー、パッションフルーツ。それらを含むあらゆるフレッシュジュースを混ぜまくったようなジューシーさを感じます。

たまらずひと口飲むと、ラッシーのようなとろみと甘さ。強烈な南国フルーツのフレーバーだけが鼻から抜けていきます。苦みはなくトロピカルな甘さを感じるのですが、味わい自体はドライ。

超絶な完成度。
今まで飲んだことのない感動レベルのジューシーさでした。

唯一お代わりを貰いに行ったビールですが、その時には売り切れていて膝から崩れ落ちるほどのショックを受けました。

それほどのインパクトを受けたヘイジーIPAです。超おすすめ!!

Holmgang

基本データ

ブルワリー:Taihu(タイフー)
アルコール:6%
ビアスタイル:サワー・クワイク・IPA
国:台湾

苦味★★
酸味★★★★
コク★★★
香り★★★★
のどごし★★
編集部感想

タイフーは、世界の各都市への進出を控えている台湾発のグローバルな視点を持ったブルワリーです。
フルーツや独自の漢方を使ったビールが世界で人気を集めています。

ビアスタイルは酸っぱいIPAであるサワーIPAがベースとなっており、発酵には「クワイク」(Kveik)という酵母が使われています。

「クワイク」は近年注目を集めているノルウェーのビール酵母で、旺盛な発酵活動、使える温度帯が広い、アルコール耐性が強いなど、ビール醸造において大きなメリットを持つ酵母です。

見た目は澄んだゴールデンの色調です。

乳酸の強い香りや、華やかなお花のような香りを感じます。この白っぽい花や果実の香りがクワイク酵母由来のものなのでしょうか?

味わいははじめに爽やかな甘さを感じました。そのあとすぐにジューシーな酸味がやってきます。余韻に穀物のしっかりとした香ばしいフレーバーが抜けていくのが心地いいです。

初めてクワイク酵母のビールを飲みましたが、出来上がりのビールに与える影響というのは掴みきれませんでした。

ですが今後も注目される酵母のはずですので、この機会に「クワイク」はぜひ覚えておいてください!
いつか誰かに自慢できる日がくるかも。

Beaning of Life(Monska Colab)

基本データ

ブルワリー:To Øl(トゥ オール)
アルコール:5%
ビアスタイル:セッション・ペストリー・スタウト / コーヒー、ココア、バニラ&アーモンド
国:デンマーク

苦味★★★
酸味★★
コク★★★
香り★★★★★
のどごし★★★
編集部感想

ミッケラー と肩を並べるデンマークの人気ブルワリーであるトゥ オール。
彼らの実験的でアーティスティックなビール造りの姿勢には、デンマークのクラフトビールらしさが詰め込まれています。
ブースに立っている時もビールを注いでいる間も、ずっと音楽に合わせて踊り狂っていたブルワリーのお2人も印象的でした(笑)

ビアスタイルは現在アメリカを中心に流行しているペストリースタウト。
デニッシュやパイなどのお菓子を思わせるような甘さや風味が特徴のスタウトです。
このビールはその特徴をそのままにアルコール度数を抑えたセッションスタイルに仕上がっています。

真っ黒な外観のビールからはコーヒー豆の香ばしさ溢れんばかりに漂ってきます。続いてココアやバニラなどのあま〜い香りが感じられました。

しかし不思議なことに、飲んでみると甘さがないのです。飲み口も軽く、あっさりしています。でも香りはしっかり甘く、香ばしい。

これがセッションスタイルの真髄なのでしょうか。 すごい!
香りと味わいのギャップに驚かされる一杯でした。

異端者の逆襲

基本データ

ブルワリー:京都醸造
アルコール:11%
ビアスタイル:バレルエイジ・インペリアル・ベルジャンレッド
国:日本

苦味★★★
酸味★★
コク★★★★★
香り★★★★
のどごし
編集部感想

日本のビールも勿論美味しかったですよ!
その中でもこのベルジャンスタイルビールを得意とする京都醸造のビールが特に記憶に残りました。

「異端者の逆襲」というなんともインパクトのあるネーミングです。
これは京都醸造が以前コラボしたことのあるアメリカの「Heretic Brewing」との再コラボビールということで、このネーミングとなったそうです。
名前だけじゃどんなビールかわからないことと、その由来を考えるのが京都醸造のビールの楽しみの一つでもあります。

ビアスタイルが「ベルジャンレッド」ということは、赤い外観と甘酸っぱさが特徴のベルギーのフランダースレッドエールがベースでしょうか。
それが樽熟成され、アルコール度数が高められている、といった感じです。

色はまさにフランダースレッドエール。
熟成を経て色が抜けた赤ワインのような赤茶色をしています。

初めての香りに遭遇しました!
あんこや栗まんじゅうを感じさせるようなまったりとした甘い風味を強く感じます。
ウイスキー樽での熟成が行われているのですが、これまでに感じたことのない樽熟成の香りでした。
面白い!

味わいにも栗を思わせる芳醇な甘さがあり、チョコのような上品さも持ち合わせています。
樽由来の厚みのある風味が強く、アルコールのじんわりとした感じもあってめちゃくちゃうまいです。

非常にインパクトのあるビールでしたが、あんこや栗まんじゅうなどの「和」の要素をどことなく感じました。
日本のブルワリーも全く世界に負けてないと思わせてくれるような一杯です!
(ちなみに京都醸造の創設メンバー3人の中に日本人はいません。しかし彼らが日本で出会い、日本を好きになってくれてよかった!)

Future Mountain & Sailors Grave Collab

基本データ

ブルワリー:Sailor’s Grave(セイラーズグレイブ)
アルコール:5.4%
ビアスタイル:フルーツ・ワイルド・サワー
国:オーストラリア

苦味
酸味★★★★★
コク★★★★
香り★★★★★
のどごし★★★
編集部感想

セイラーズグレイブは、オーストラリア・ビクトリア州の田舎町で創業した夫婦経営のブルワリーです。
夫のクリスはレストランでの修行で得た食材へのアプローチをビール醸造にも活かしています。
地元の特産品を用いた斬新でナチュラルなビールが人気です。

ビアスタイルはワイルドサワー。
すなわち野生酵母を使ったビアスタイルで、フルーツが副原料として使われています。

外観は澄んだゴールデンの色調で、いわゆる普通のビールのようにも見えますが…

香りは野生酵母の荒々しい酸味が感じられ、柑橘や花のニュアンスもありました。さすがはワイルドサワー!見た目からは想像できない複雑さです。

味わいはランビックに似た感じでかなり強めの酸っぱさがあります。
酸味は強いですが、余韻に強いナッツの香りが感じられます。ワインで例えると今流行りのナチュラルワインに似た印象がありました。おいしい!

豊かで複雑な香りと味わいがありますが、ドライで酸味が強いので食中酒として優秀なビールだと思います。

【番外編】Ragnarok / Mango Mead

基本データ

ブルワリー:Superstition Meadery(スーパーステーション・ミーダリー)
アルコール:15%
国:アメリカ

苦味
酸味★★★★
コク★★★★★
香り★★★★
のどごし
編集部感想

ビール以外の飲み物ということで、番外編です。
スーパーステーション・ミーダリーは、アメリカ・アリゾナ州の「ミード」のブルワリーです。
ミードとは、ハチミツを主原料とした世界最古の醸造酒です。

実は私この時がミード初体験。
蜂蜜のお酒ということで、ウキウキしながら飲んでみました。

そのまま蜂蜜を思わせるような黄色く輝く外観ですが、香りは乳酸や酢酸を感じる強めの酸っぱさを感じました。

しかし味はとっても甘くてチャーミング!
まさに蜜のような濃厚で上品な甘さがあり、強烈な酸味と見事なバランスを取っています。ビールと違って苦味や香ばしさはありませんが、うっとりするような甘美な味わいを持っています。

ですがアルコール度数は驚きの15%!
全くと言っていいほど度数は感じませんでした。怖いですね〜(笑)
みなさんもミードを見かけたら是非飲んでみてください!

クラフトビールの最新トレンド

夢のようなビール体験をすることができました。
世界から集まったブルワーのビールはやはり凄かった!

そして業界を引っ張る彼らのビールを飲んだからこそ感じることもありました。

今回のイベントで私が実感したクラフトビールの最新の流行のようなものを、ここではご紹介したいと思います。

私が感じたポイントは3つ。

  1. 脱苦味
  2. 強い酸味
  3. 樽熟成

以下で解説していきたいと思います。

脱苦味

本イベントの出品ビールは、全体を通して苦味の際立ったものが少なかった印象があります。
IPAはいろいろな種類がありましたが、ヘイジーやサワーなどホップの苦さ以外のキャラクターを引き出したビールが多く見られました。

クラフトビールの人気拡大を牽引したのは間違いなく苦いIPAです。
インディアン・ペールエールとは強烈な苦みのあるビールである、という認識を私たちは持っているはずです。
しかしヘイジーIPAを代表とするような、IPAの名を冠しながら苦味の少ないビールが近年増えてきているようです。

それには醸造技術の発達が関わっているかもしれません。
ビール造りに関しては、ホップの香りだけを強く引き出す「ドライホッピング製法」が多くのブルワリーで採用されています。
また、新たな香りを持つホップの発見及び交配や、純粋なホップの成分だけを抽出する加工技術の研究(クライオホップなど)も進んでいます。
ホップの種類や使い方の幅が増えてきているのが感じられますね。

もちろん従来のような苦いIPAの人気は衰えていませんが、世界各地のブルワリーが苦味の少ないビール作りにチャレンジしているのは事実です。

今後はIPA=苦いという認識が変わっていくかもしれませんね。

強い酸味

苦味の強いビールが少なかったのに対して、酸味の強いサワー系のビールを多くのブースで見かけました。

野生酵母や乳酸菌を使った強烈な酸味があるビールをたくさん試飲しましたが、どれも個性的なものばかりで、大手メーカーのビールにはない面白い味わいです。

間違いなく「酸味」は今のクラフトビールのトレンドであると思います。

サワービールは、料理とのペアリングの幅を広げてくれます。

これまでのビールの味わいの特徴は苦味と甘味が主体でした。
小麦を使ったホワイトビールや、焙煎した麦芽を使った黒ビールには酸味を感じることもありますが、それはあくまで他の味わいを引き立てる程度の弱いものです。

しかし、現在流行しているサワービールには非常にはっきりとした酸味があり、この味わいによってワインと同じようなようなアプローチが可能となり、食事との組み合わせの可能性を大きく広げました。

クラフトビールの人気の拡大とともに、ビールと食事の相性についても注目されています。
今までにない強い酸味を特徴に持つサワー系のビールは、今後もペアリングの中で注目されていくビアスタイルなのではないかと考られます。

ちなみに、この酸っぱいビールのルーツは、おそらくベルギービールであると考えられます。
今回のイベントにはベルギーからの出店はありませんでしたが、多くのブルワリーがベルギービールの文化から影響を受けていることがわかります。

樽熟成(バレルエイジ)

ビールの樽熟成は多くのブルワリーでチャレンジされており、今回のイベントでも様々な樽熟成ビールが出品されていました。

ビールは樽の中で熟成させることによって、樽由来の香りを纏ったり、樽に住みつく菌類や熟成の過程によって味わいや香りに変化が与えられます。

今回のイベントでは特に樽熟成されたスタウトスタイルの出品が多く見られました。

主催ブルワリーであるミッケラー のイベントおすすめビールリストには、とりわけこの樽熟成したスタウトがかなりの数挙げられています。

それらのほとんどがアルコール度数が10%以上で、バーボンウイスキーやブランデーなどの芳醇な香りを放つものでした。
強烈なパンチがありますが、なんとも言えない複雑な香りが心地よく、甘味を強めに効かせてあるため濃厚な味わいを楽しむことができます。

個人的には食後に少量を楽しむ程度で十分かなと思いましたが、イベントに来ていた欧米人の方々はガブガブ飲んでいました。
おそるべし文化の違い…(笑)

スタウトの他にも、ピルスナーやサワービールなどでさえも樽熟しているものがありました。
こちらの樽熟成の狙いは甘い香りをつけるためというよりも、樽に住みつく野生酵母を利用した発酵や熟成による香りや味わいの変化です。
通常のビールでは得られないナッツや野性味のある香りなどの独特なフレーバーや、複雑な酸味・旨味が感じられ、これもまた面白かったです。

熟成に使う樽の個性も様々でした。
オークの新樽やウイスキー樽はもちろん、ワインやシェリー、フルーツジュースの樽など多様なものが使われていました。

樽熟成ビールは他分野の飲料のエッセンスが交わる実験的なビールです。
その面白味にクラフトブルワリーたちが目を付け、様々な試行錯誤が行われているのかもしれませんね。

日本は日本酒で使う木桶や、味噌や醤油、みりんの木樽を持っているので、日本ならではのオリジナリティが発揮できるのではないかと妄想してしまいます。

今後もどのような樽熟成ビールが世に出回るのか注目していきたいです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

クラフトビールの最先端をこの肌身で感じてきましたが、ビールの面白さというものを再認識させられました。

それぞれのブルワリーが既存のビアスタイルの型にあてはまらない独創的なビールを持ってきていて、それらを飲み手は面白がって飲む。

そんな光景を見て、あぁビールって自由な飲み物なんだなあ…
そう強く私は感じました。

みなさんも自分の思うままに、好きなようにビールを楽しんでいきましょう!

来年も開催されるなら絶対に参加します!
ありがとう!ミッケラー BCT2019!!

この記事を書いた人
熊倉
1993年生まれ、酒屋勤務、新潟市在住。いろいろお酒を飲むけどいつもビールに戻ってくる。セッションIPAを水筒に入れて持ち歩きたい。大衆酒場が好き。
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