【ベルギービールウィークエンド2019 東京 イベントレポ】ベルギービールの多様性と可能性を感じてきた!

こんにちは!
来年こそは自宅でホップの育成にチャレンジしたいと考えているCRAFT BEER TIMES編集部の熊倉です。

先日ありがたいことに、東京・六本木で開催されましたベルギービールウィークエンド2019のオープニングイベントへのご招待を頂きました。

CRAFT BEER TIMESとしても私熊倉個人としても初めてのイベント取材案件で、これは行くしかない!ということで突撃してきました。

オープニングセレモニーは激しい雷雨の中行われましたが、イベントそのものは珍しいビールの試飲やプロの業者さんのお話が聞けたりと、とても貴重な体験ができました。

今回の記事は、そんなベルギービールウィークエンドで我々が勝手気ままに体験・体感したことのレポート的な内容です。

少しでもベルギービールやクラフトビールの魅力が伝われば幸いです。
よろしくお願いします!

ベルギービールウィークエンドとは

全国の数カ所で開催されるベルギービールに特化したイベントです。

東京や大阪、名古屋などの都市部で開催され、2019年に開催10周年を迎えます。各会場合計で150種類を超える多種多様なベルギービールと、ベルギーご当地のグルメやベルギーの人気アーティストによるライブパフォーマンスなどが楽しめます。

入場料は無料ですが、支払いは専用コインが使われますので、専用コインとグラスを購入する必要があります。
当日でも購入可能ですが、前売りチケットの方がお得です。

また、BBWalkerという公式アプリがリリースされており、当日の商品ラインナップなど様々な情報が確認できます。

【公式サイト】https://belgianbeerweekend.jp
【facebook】https://www.facebook.com/bbwjapan
【Instagram】https://www.instagram.com/bbwjapan
【Twitter】https://www.twitter.com/bbwjapan

ベルギービールウィークエンド 試飲ビールレビュー

さあ、いよいよ飲むぞ!
と意気込んでビールブースへと進むと、ずらりと並んだ多種多様なベルギービールに驚かされました。

ぜんぶ飲んでみたい思いはありましたが今日は仕事。

下調べやブースの方のおススメを聞いた中から厳選チョイスした4種類のベルギービールをご紹介致します!

デュベル・オン・タップ 【ビアスタイル:ゴールデンエール】

ベルギービール好きな人なら一度は飲んだことがある方も多いでしょう、このデュベル。

デュベルは「悪魔」の意味を名に持つストロング・ゴールデンエールタイプのベルギービールです。
瓶詰め後に2ヶ月に渡る発酵と熟成が行われ、豊かな純白の泡とフルーティでキリッとした味わいが特徴です。
「世界一魔性を秘めたビール」とも呼ばれ、ベルギービールを代表する銘柄のうちの1つとされています。

そんな大人気のデュベルですが、今回のイベントではなんと日本初上陸の樽生のデュベルが登場しておりました。

デュベル誕生から100年が経った今、実現不可能とされてた樽生ビールがついにデビューを果たしたそうです。

デュベル樽生の独立したブースがあるほどに、本イベントの目玉商品となっていました。
こりゃ飲まないわけにはいかんでしょ!!
はたして、そのお味やいかに?

苦味★★
酸味★★
コク★★★★
香り★★★★★
のどごし★★★
編集部感想

輝きのあるゴールデン色のうっとりする外観です。炭酸の泡の粒がふつふつと湧きあがってくるさまもとてもキレイ。泡の豊かさも特徴で、飲むたびに新しい泡がつくられます。

香りはフレッシュで華やかさが前面に感じられます。
ベルジャン酵母の豊かなリンゴや梨のようなフルーツのアロマ。バナナの香りも少しあります。シトラスの柑橘系のニュアンスや、ほんの少しですが野性味を感じる複雑な香りも感じました。

味わいはドライで爽快感がありながらも、飲みごたえがあります。
炭酸が良く効いおり、ビールが口の中で広がっていく印象がありました。第一印象にフルーツのような甘味とさわやかな酸味が感じられましたが、どちらも引きが早くキレの良さを感じます。苦みは控えめです。余韻には麦の甘味と、喉元がじわじわ熱くなるようなアルコール感がありました。シャンパンのような熟成のフレーバーも感じられ、複雑な余韻を楽しめます。うまい!

いつも飲む瓶のデュベルとは違う、完成された味わいでした。
まさに今回のイベントで絶対に飲むべき1杯です。
味・希少価値ともにかなりおすすめですので、飲める機会があったらぜひ飲んでみてください!

フブロン・シュフ 【ビアスタイル:ベルジャンIPA】

続いていただいたのがこちら。

ブースの方からオススメされた一杯。
ベルギーでは珍しいIPAスタイルのビールです
アルコール度数は9%と、インペリアルIPAにカテゴリできるほどの強さで、こちらも樽生での提供でした。

「フブロン」とはフランス語でホップの意味らしいですよ。

アメリカとイギリスのIPAの特徴を出しながら、ホップは3種類をブレンド。
そして発酵はベルギー酵母を使用、いろいろな国のエッセンスが混じったIPAに仕上がっているとのことです。
これは楽しみです!

苦味★★
酸味★★★
コク★★★
香り★★★★
のどごし★★
編集部感想

少し濁りのあるゴールデンの色調で、ややとろみを感じる液体です。

香りは今までにないような不思議な感覚です!
紅茶のような芳醇さと、ハチミツのような丸い甘さがありました。続いて薬草や柑橘類の香りや、ベルジャン酵母からくる果物の要素もしっかりと感じられました。この時点で普通のIPAとは明らかな違いを感じました。

口に含むと豊かな香りがさらに広がります。
松のようなフレーバーやフルーツの香りが鼻から抜けていきます。甘味や酸味は中程度に感じますが、苦味はほとんどありませんでした。口当たりは滑らかで、アルコールの強さは後味に少しだけ感じる程度です。

とても面白いIPAでした。
ベルギーのIPAスタイルのビールはあまり飲んだことがなかったので、新鮮な体験ができました。
ベルジャンIPAスタイルのビールはベルギー国外のブルワリーで多く作られていますが、本家ベルギーで作るとこうなるのか!といった不思議な仕上がりです。
真のベルジャンIPAをぜひ体験してみてください!

コルセンドンク・グランドホップ 2019 【ビアスタイル:スペシャルビール】

今年だけの限定醸造というキャッチに惹かれて注文してしまいました 笑

しかし注目すべき点は「モザイクホップ」を使用しているところ。

モザイクホップとは、アメリカ産のホップ品種で、柑橘系やトロピカルな香りが特徴のアロマホップです。
多くの香りが芸術的に組み合わさることからモザイクという名前が付けられました。

コルセンドンク醸造所は、普段はベルギー伝統の修道院ビールを中心に製造しています。

そんな伝統のベルギービールの造り手がクラフトビールブームの中でも大人気のホップを使っているということで、これまたどんな味わいになっているのか気になるところです!

苦味★★★
酸味★★
コク★★★★
香り★★★★★
のどごし★★★
編集部感想

外観は濁りのあるゴールデンイエロー。
くすんだ液体から重みのある味わいが予想されます。

香りはまさに融合といった感じです!
モザイクホップ特有のパッションフルーツやブドウのようなトロピカルな香りがある中、ベルジャン酵母のりんごや柑橘類のアロマもはっきりと感じられます。

味わいにはモザイクホップのキャラクターが強く出ています。
トロピカルな風味から感じる甘味さをはじめに感じますが、すぐに引いていくためドライな印象。ホップの苦味は中程度で、後味にはアルコール由来の苦さを感じました。爽やかな味わいですがボディは結構強めで、トロピカルなフレーバーが余韻にも続きます。

どんな味や香りになるんだろうと思っていましたが、ベルギー酵母とうまく調和した新たな味わいを楽しめました。
モザイクホップ好きにはオススメです。
ベルギービールと合わさることで生まれる新たなモザイクホップの一面を見れるかも!?

アウトベールセル アウドグーズ 【ビアスタイル:ランビック】

最後はやはりベルギービールの醍醐味である「ランビック」です。

ランビックは、強烈な酸味と複雑な香りが特徴の自然発酵ビールです。

今回飲んだこちらのビールは、ランビックの中でもグーズと呼ばれるブレンドタイプのものです。
熟成1年目、2年目、3年目のランビックを混ぜ合わせたバランスのとれた仕上がりになっているそうです。

私は久しくランビックを飲んでいなかったので、久々のご対面。
もう1人の同行者はランビック初体験ということで緊張した面持ち。

どんなリアクションが待っているのでしょうか 笑
いざ試飲です!

苦味
酸味★★★★★
コク★★★★
香り★★★
のどごし
編集部感想

少し濃いめのゴールデンの色調で、豊かな炭酸の泡がグラスの底から元気よく湧き上がっています。さすがは瓶内二次発酵の力!

おそるおそる香りを嗅いでみると…
穏やかな果実の香りがあり、比較的落ち着いた香りのランビックです。りんご、やレモンのようなフレッシュさがありながら、樽熟成からくる香ばしさやナッツのような香りを感じました。

味わいはさすがランビック!といったパンチを感じました。
強い酢酸を思わせるような酸味がありますが、旨味のあるまろやかさも感じます。甘さは控えめでドライ。苦味もほとんどありません。ですが、熟成の過程で生まれた様々な香りや味わいが合わさった深みとコクがあり、複雑な味わいを楽しむことができます。

個人的にはとても美味しかったです!
例えるなら樽熟成された白ワインと赤ワインの間のような味わいです。
ですのでワインのように食事とぜひ合わせたい一杯でした。

もう1人の方はというと終始しかめっ面をしていて、あまり受け入れられないという感じでした(笑)

ランビックはそれほどにインパクトがあるビアスタイルです。

しかし、一度好きになるとやみつきになる深い味わいのあるビールでもあります。
まだ飲んだことがない方はぜひチャレンジしてみてください!

ベルギービールとクラフトビールについて考える

ベルギービールはとても個性的なものが多く、今回飲んだ4種類のビールもかなりキャラクターが立っていました。

ここでふと思ったのですが、ベルギービールとはクラフトビールなのか?

そんな疑問がぽかんと浮かんだので、ここでは少しクラフトビールという観点からベルギービールについて私なりに考えてみたいと思います。

ベルギーでのクラフトビールの波

本イベントのとあるビールのブースにベルギー人のスタッフの方がいらっしゃいました。
せっかくの機会でしたので、ベルギーのビール事情について少しお話を聞かせていただきました。

ベルギーでは2、3年前くらいにクラフトビールの流行があったそうです。
IPAのようなホップを効かせた華やかで苦味のあるビールがベルギー国内でも人気を得ていました。

しかし現在はすでにクラフトビールブームの熱は冷めており、昔ながらのベルギー伝統のビールに人気が戻りつつあるそうです。

これについては少し驚きがありましたが、よく考えればそれは不思議なことではないと思います。

というのもベルギーは他のヨーロッパ諸国と異なり、地域レベルでのビール醸造が発展してきました。
ベルギービールは国内の各地でさまざまな種類のビールが作られており、クラフトビールの人気の理由である「多様性」をすでに満たしていると言えます。
ベルギーにはすでに十分すぎるほどの種類のビールがあったのです。

それに加えてベルギー人の地元志向の強さが、クラフトビールの定着を阻んだと考えることができます。

ベルギービールはクラフトビールなのか?

先にも述べましたが、ベルギービールは非常に長い歴史を持っています。

その歴史の中で野生酵母を使った発酵のテクニックや、スパイスやフルーツを取り入れる工夫、品質管理など様々な技術や知識を獲得してきました。

このような非常に高度な技術はベルギーならではの独自性のあるものであり、クラフトビール全体の発展にも大きく貢献しています。

そういった意味ではベルギービールをクラフトビールと呼ぶことができるでしょう。

しかし同時に、ベルギービールこそ真の地ビールなのではないかとも思うのです。

ベルギーには小規模の醸造所があちこちに点在し、地元の農産物を用いたオリジナリティ溢れるビールがたくさん作られています。
地域の式典や祭りなどでもそのビールは振舞われ、ベルギーではどんなシーンでもビールが生活の中に溶け込んでいます。

そして、2016年にはユネスコの無形文化遺産に「ベルギーのビール文化」が登録されました。
ビールそのものではなく、文化として登録されてたことに大きな意味があります。

これほどまでに地域に密着しているビール文化を持つ国はなく、だからこそベルギービールは真の地ビールであるとも言えるでしょう。

ベルギービールとクラフトビールの融合

ベルギービールはこれまで独自のビール文化を脈々と受け継いできました。
クラフトビールの流行も一時はありましたが、現在はそれもすでに落ち着いていると言います。

しかし、今後もその状態続くかと言われたらNOであると私は考えています。
今回のイベントで飲んだベルジャンIPAから、そんな風に考えるようになりました。

あるブースでオススメされたIPA。(レビューで紹介したフブロン・シュフ)
ベルギーのIPAということはご本家ベルジャンIPAだな、と思って一口飲んでみると…

なんだこの味と香りは!!

それは私がこれまで飲んだアメリカ産や日本産のベルジャンIPAとは全く違ったキャラクターのビールでした。

この時に私が今まで蓄積してきたベルジャンIPAのイメージは崩れ去りました。
新たなビアスタイルに出会ったような、そんな感覚を味わったのです。
(名付けるならトラディショナル・ベルジャンIPAとでも言いましょうか)

この体験から、他のいろんなビアスタイルをベルギーで作ったらどんな味になるんだろう?というワクワク感が生まれました。

私の希望的観測が多分に含まれますが、ベルギービールは他国のクラフトビールと混ざり合うことによって新しい味わいを生み出すポテンシャルを持っていると考えています。

クラフトビールは世界的に見て若い世代を中心に支持を受けています。
そのためベルギーの若手醸造家たちが、流行りのクラフトビールの技術を自分のビール作りに活用することは十分考えられるはずです。

日本はいわゆる地ビールブームの盛衰を経て、現在のクラフトビールブームを迎えています。
このビール革命とも言える現象は、ベルギーでも今後起こるのでしょうか?

まだ見ぬ新たなビアスタイルの誕生を期待しながら、ベルギービールの今後を見守っていきたいです。

まとめ

以上、いかがでしたでしょうか?

ベルギービールに興味が少しでも持って頂けたなら嬉しいです。

この記事を書くにあたってベルギーのことを調べたのですが、これほどまでにビールを愛している国はないなと再認識しました。

そんな愛情がたっぷり詰まったベルギービール、飲む機会があったらゆっくりじっくり味わってみて下さい!

それではまた!

ちゃっかり記念撮影もかましてきました(笑)
この記事を書いた人
熊倉
1993年生まれ、酒屋勤務、新潟市在住。いろいろお酒を飲むけどいつもビールに戻ってくる。セッションIPAを水筒に入れて持ち歩きたい。大衆酒場が好き。
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