Tap Marché(タップ・マルシェ)とは?日本のクラフトビールの可能性を広げる画期的なビールサーバー

Tap Marché(タップ・マルシェ)とは?日本のクラフトビールの可能性を広げる画期的なビールサーバー

熊倉
熊倉

みなさんこんにちは。
7:3の黄金比がつくれないスランプに陥ってしまったCRAFT BEER TIMESの熊倉です。

みなさん、お店でクラフトビールを飲みに行くときってどんなお店を選んでいますか?
やっぱりビアバーであったりパブ業態などが多いでしょうか?

最近「タップマルシェ」という全く新しいビールサーバーを使ったお店も増えてきましたね。街で見かけたことがある!という方もいらっしゃるのではないでしょうか?

この特殊なサーバーの登場によって、様々な飲食店でクラフトビールが飲めるようになりました。
いろいろなお店でクラフトビールが飲める状況って、とってもステキなことだですよね!

ということで今回はこのタップマルシェについて解説していきたいと思います。

  • タップマルシェってなに?
  • なにがどうすごいの?
  • どんなクラフトビールが飲めるの?

このような内容が詰まった記事ですので、気になる方はぜひご覧くださいませ。
それではどうぞ!

タップ・マルシェとは?

Tap Marché(タップ・マルシェ)公式サイト:
https://www.tapmarche.jp/

タップマルシェとは、キリンビールが開発したクラフトビール専用のビールサーバーです。

近年のクラフトビールの流行を受け、個性豊かなクラフトビールと出会い、飲み、楽しめる市場(Marché)を目指してタップマルシェは作られました。
これまでクラフトビールに求められていた「多品種・小容量」の課題をクリアし、樽生のクラフトビールを手軽に提供できるサーバーとして多くの飲食店に採用されています。

2017年から首都圏1都3県に展開され、翌年2018年には全国展開を開始。2019年末時点では約13,000店以上の飲食店に採用されています。

タップマルシェの特徴

タップマルシェはクラフトビール業界に大きなインパクトを与えました。
ではそんなタップマルシェはどんなところが優れているのでしょうか?ここではタップマルシェの特徴について解説していきます。

1台で最大4銘柄を接続可能

タップマルシェは4つのタップがあり、最大4銘柄のクラフトビールを同時に提供することが可能です。
種類が豊富さが魅力のクラフトビールにとっては、より多くの品揃えは強みになります。

小容量で回転が速い

タップマルシェに使われる生ビールの容量は3Lと非常にコンパクトです。

通常の国産ブランドのビールは、大手・クラフト問わず10L以上のものが主流です。それを考えるとタップマルシェのビールがいかに小容量であることが分かるかと思います。

タップマルシェのビールは生ビールですが、ビールが詰められている容器はステンレス樽ではなく特殊なペットボトルです。
ペットボトルにビールを詰めて大丈夫なの?と思われるかもしれませんが、そこはさすがのキリンビール。自社開発の技術を駆使した容器のコーティングボトルの設計は、ビールの炭酸ガス流出と酸化を最低限に防いでいます。
これによって美味しいクラフトビールがそのままの品質で、わたしたちのもとに届いています。

日本全国を網羅したビールのラインナップ

タップマルシェでは2020年6月現在、15ブルワリー30銘柄のビールが取り扱い可能です。

北は岩手から、南は九州まで、日本各地のブルワリーがタップマルシェに参加しつつあります。
タップマルシェに参加するブルワリーは今後も増えていく見通しです。あなたの住む地元のブルワリーのビールをタップマルシェで飲める日が来るかもしれませんね。

熊倉
熊倉

ちなみに私の出身地である新潟産のビールはまだタップマルシェにはありません。いつか飲めるようにならないかな~

タップマルシェの意義

タップマルシェが画期的な機能を持った新たなビールサーバーであることがわかりました。
それではこのタップマルシェは日本のクラフトビール業界にどのような影響を与えるのでしょうか?
ここではタップマルシェの意義について考察を述べていきたいと思います。

より多くの人にクラフトビールを

タップマルシェはクラフトビールの普及に大きく貢献することとなりました。
その理由はタップマルシェが飲食店でのクラフトビールの提供を大幅に簡易化したことにあります。

飲食店はクラフトビールを自分の店でやってみたいと思っても、導入のハードルが高すぎて手が出せずにいるという状況にありました。

国産大手ブランドのビールとクラフトビールを同時に提供するとなると、ビールの回転率が落ちて鮮度も劣化してしまいます。
また、クラフトビールを導入するにあたって、サーバーや冷蔵庫などの新たな機材も必要となります。そのためには大きな資金と、店舗内のスペースの確保が求められるのです。

そのため仮にクラフトビールを扱うとしても、缶や小瓶をボトル売りするに手段は限られます。
飲食店のクラフトビールのボトル売りの価格はだいたい1,000円前後と高単価になるので、クラフトビール初心者としては注文しにくい価格帯となってしまいます。

そんな課題をタップマルシェは解決しました。
小容量3Lペットボトルの容器」「コンパクトなサイズのサーバーの無償貸与
この2つがビールの回転率・資金とスペースのコストの課題をクリアしたため、多くの飲食店がクラフトビールをお店で提供できるようになったのです。

また、生ビールでの提供ならグラスの容量で販売価格を調節できるので、低価格でのクラフトビールの提供が可能になります。

クラフトビールを飲めるお店が増えれば、当然飲み手である私たち一般消費者がクラフトビールに触れる機会は多くなります。こうしてクラフトビールの認知度が上がれば、ファンも増えて業界は大いに盛り上がっていくことでしょう。

ビールペアリングの可能性が広がる

タップマルシェが飲食店のクラフトビールの取り扱いを簡易化したことは先ほど述べました。
そしてそれは、あらゆる業態でクラフトビールを飲めるようになったことを意味します。

寿司屋、割烹、大衆居酒屋、フレンチ、イタリアン、中華、インド料理、タイ料理…
このような多様な業態でも、タップマルシェを導入することでクラフトビールを簡単に提供することができます。この傾向が進むことで、ビールと料理のペアリングが劇的に広がっていきます。

ビールのおつまみと言えば枝豆や唐揚げなどが定番ですが、それは大手国産ビールメーカーの主要銘柄をはじめとするラガービールに限った話です。
クラフトビールと料理の相性については、それとは大きく話が変わります。
ビールペアリングの世界はもっと奥深く、正解のないどこまでも続く道のようなものなのです。

例えば…

  • 寿司屋でウニの軍艦と一緒にダークラガー
  • 居酒屋のコテコテに煮込んだ肉豆腐にIPA
  • イタリアンの白身魚のカルパッチョに柚子を使ったラガーで香りを添える
  • インド料理店のピリ辛スパイスカレーをベルジャンホワイトで爽やかに

このように、ビールと料理の組み合わせは自分の思うままに楽しむことが出来るものです。
そしてタップマルシェによってこの楽しみを味わえる機会は大きく増えました。
また、専門店のこだわりの料理と一緒に飲むクラフトビールは格段に美味しくなります。外で飲むクラフトビールの美味しさを、タップマルシェはわたしたちに与えてくれたのです。

なかなか家では出来なかったビールと料理の組み合わせや、今までは考えられなかったペアリングに挑戦することもタップマルシェがあるお店なら出来ちゃいますね。

国産大手ビールメーカーの取り組みであるという点

タップマルシェはキリンビールが開発した商品です。
この日本国内でトップシェアを争う大手のビールメーカーが、クラフトビールを広げるための戦略を取ったことには大きな意味があると思います。

日本のクラフトビールのシェアはまだビール市場全体の2%にも満たないですが、今後伸びていく可能性は十分にあると考えることができます。
キリンビール独自の調査(※)では、日本国内でのクラフトビールの認知率は2019年6月時点で90%を超え、クラフトブルワリーの数も2019年4月時点で381社と3年前の約1.5倍に増加という結果が出ています。

(※)https://www.kirin.co.jp/company/news/2019/0827_01.html

キリンビールがクラフトビール業界に本格参入したことは、他社大手ビールメーカーにも影響を及ぼします。

タップマルシェの普及が進めば、国内ビール市場におけるキリンビールの占有率は上がっていくことになります。それを他のライバル企業が黙って見過ごすことは考えられないでしょう。
他社の動向を見ますと、サッポロビールは「ソラチエース」をはじめとする国産ホップを使ったクラフトビールの開発に力を入れていますし、サントリーは手軽に楽しめるクラフトビールシリーズである「TOKYO CRAFT」ブランドの売れ行きが伸びている実績を持っています。

これからキリンビールに対抗して他社大手ビールメーカーが、クラフトビールの既存ブランドの強化や新たな商品開発に注力していくことは十分に考えられます。
大手が動けばその影響力は絶大なので、より一般の消費者にクラフトビールが認知されていくことが期待できるでしょう。

そのため、業界大手であるキリンビールがクラフトビールの普及に先立って取り込むことは、クラフトビール市場全体を勢いづけることとなるのではないでしょうか。

タップマルシェで飲めるビール

タップマルシェでは様々な種類のクラフトビールを飲むことができます。
詳細な取り扱い銘柄はタップマルシェ公式サイトを確認してみてください。

Tap Marché(タップ・マルシェ)公式サイト:
https://www.tapmarche.jp/

タップマルシェが飲めるお店

タップマルシェが飲めるお店は全国各地にあります。

あなたの住む街の都道府県にもタップマルシェを導入しているお店があると思いますので、是非下記のページから探してみてください。

タップ・マルシェで、クラフトビールを楽しめるお店
https://www.tapmarche.jp/DrinkableShopAreaList.jsp

まとめ

今回はクラフトビールの可能性を広げるビールサーバー、タップマルシェについてご紹介させていただきました。

タップマルシェの登場は、クラフトビールの存在をより身近なものにしてくれました。
瓶や缶で飲むクラフトビールも美味しいですが、やはりビールは樽生で飲むとその美味しさは倍増するように私は思います。

タップマルシェの設置は拡大を続けていますので、もしタップマルシェのマークを見かけたときはお店の美味しい料理とのペアリングを楽しんでみてはいかがでしょうか!

それではまた!

熊倉
この記事を書いた人
熊倉
1993年生まれ、酒屋勤務、新潟市在住。いろいろお酒を飲むけどいつもビールに戻ってくる。セッションIPAを水筒に入れて持ち歩きたい。大衆酒場が好き。
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